牧場を尋ねるPasture

関東・東海地方の牧場

群馬県 神津牧場

画像長野県佐久郡の豪農の息子で、福沢諭吉のもとで勉学に励んでいた神津邦太郎。
邦太郎は、日本人の身体が貧弱なのは、それまで肉や乳製品をほとんど食べてこなかったからで、明治政府が叫ぶ「富国強兵・殖産興業」を実現するためにも、まずは日本人の食生活から改めていかなければいけない、と決意したのでした。

そこで邦太郎は、牛乳からバターをつくることを思い立ち、早速行動を起こしました。
こうして明治20(1887)年、群馬県甘楽郡の現在の地に牛舎を設置して開設した洋式牧場が、我が国では最古となる神津牧場だったというわけです。

日本最古の洋風牧場

画像選んだ土地は、群馬県と長野県との境に位置する物見山(標高1,375メートル)の山頂から東側になだらかに広がる傾斜地でした。
邦太郎は、この傾斜地に牧草を植えて草地にし、そこに牛を放牧して自然に近い形で飼養していこうと考えていました。
そのためには、小型で環境への適応力があって運動能力にも優れたジャージー種の牛が最適ということになり、アメリカ、カナダから選りすぐりの45頭を輸入して、本格的な牧場経営がスタートしました。

ジャージー種の特徴

画像ジャージー牛の原産が、イギリス領海峡諸島のジャージー島なため、そのままジャージー種と名付けられています。
日本には数少なく、全体の1%程度しまいません。

ジャージー種からとれる牛乳はジャージー乳と呼ばれます。
その特徴はなんと言っても、濃厚でコクがあるということです。
乳脂率5%、無脂固形分率は9%を超えてきます。
ホルスタインが、それぞれ3.7%、8.3%ほどなので、その差は歴然です。

また、脂肪球が大きく、バターをつくりやすい特徴があるため、乳製品生産大国ではジャージー牛が重宝されています。

さらに、栄養価も高いです。
βカロチンを豊富に含むために、黄色みがあり、その色から「ゴールデンミルク」と称されることもあります。
そのほか、高タンパクでカルシウムやビタミンなども豊富に含まれています。

神津牧場のジャージー牛乳

画像青い草をたっぷりと食べたジャージー牛の乳は、カロチンをたっぷりと含み、がんの抑制効果や抗酸化作用をもつ共役(きょうやく)リノール酸の含量も豊富です。

また、脂肪・カルシウムにも富んでいますから、濃厚な味と香りが特徴となっています。

神津ジャージーバター

画像芳醇な香りとまろやかさが特徴の発酵バターです。
特に夏場につくられたバターは、牛が青草をたっぷりと食べているため、濃い黄色をしていて、ゴールデンバターと呼ばれて珍重されています。

神津牧場のチーズ

画像チェダーチーズ(熟成6カ月以上)は、深いコクとほのかな苦味が特徴のチーズです。赤ワインに向いています。

ゴーダチーズ(熟成2~3カ月)は、 ソフトでクリーミーな食べやすいタイプのチーズです。料理やオードブルに最適で、白ワインに向いています。

ジャージー飲むヨーグルト

画像独特のとろみがあり、後味がさわやかなヨーグルトです。砂糖とオリゴ糖入りで飲みやすいので、牛乳が苦手な方でも大丈夫です。

神津牧場HPより抜粋・編集

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