バターを知るButter

自然の恵み バター

バター(butter)とは、牛乳から分離したクリームを練って固めたものです
バターをつくった後に残った液体は、バターミルクになります。
子牛を育てる牛乳が原材料ですので、当然栄養価に富んだ、美味しい食材です。

バターの起源

画像生乳を入れた容器が揺れただけでもバターは出来るため、起源は不明ですが、少なくともメソポタミア文明の時代(紀元前5世紀頃)には存在していたようです。
画像出展 AcientOrigins (シュメール文明”初期のメソポタミヤ文明”)

日本では江戸時代に徳川吉宗が、バターを試作した、と言われ、江戸時代にはごくわずかではあるが生産されており、オランダ語に由来する「白牛酪」という名称で呼ばれていました。

バターの消費量

画像世界で一番消費量が多いには、インド 433万トン、これにEU圏 206万トン、アメリカ 82万トン、と続き、日本は 6.3万トンです。(2011年USDAより)
インドの消費量は日本の50倍、人数比を加味すると、一人当たり5倍の消費量となります(人口で割ると、インドは1日約10gのバターを消費していることになります)
なぜインドがバターの消費量が多いのかというと、インドではヒンドゥー教の教義によって、牛肉の食用が制限されているため、足りない栄養を牛乳やバターで補っているためです。

バターの輸出量

画像バターの輸出量の半分以上の45万を年間輸出しているのはニュージーランドです。
ニュージーランドでの酪農家数は日本の2/3ですが、農場面積は2.2倍で、放牧主体のため1頭乳量は日本の1/2ですが、生産量は約3倍で、その96%が輸出に使われています。

ニュージーランドの乳業

NZの乳業メーカの市場シェアはフォンテラが95%を占めています。
また、生乳の加工品目では、日本の多くが牛乳に向けられていますが、NZでは全粉乳などが主力で、
これは主に中国向け輸出に向けられています。
また、バターの割合も日本より多くの割合となっており、
これが、日本で多くのニュージーランド産のバターが入手できる理由です。(畜産の情報 2015年3月号より)

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日本のNZの乳製品割合
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広大なNZの牧草地

牛の用途別類別

画像日本の牛は総数で約383万頭が飼育されています。
飼養戸数は6万件で1件当たり約60頭の牛が飼育されている計算になります。
この中で、乳用牛は全体の約35%です。
地域的には、乳用牛の6割は北海道で飼育されています。

乳牛の種類

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ホルスタイン種

古くはドイツのホルシュタイン州で飼養されていた品種で、乳量が多いため数多く飼養され、99%以上がこのホルスタイン種である。
一年間での乳量は標準で5,000kg以上、と大変多いが,乳質は比較的薄めで、乳脂肪率3.6%、無脂乳固形分8.7%程で飲用に適している。 (Wikipediaより)

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ジャージ種

イギリスのジャージ州でイギリスの皇室用乳牛として品種改良された乳牛で、デンマーク・ニュージーランドでは最重要品種と位置付けられている。
日本では頭数が少なくその数は約1万頭(0.3%)、主に岡山の蒜山高原、群馬の神津牧場で飼育されている。
乳質は濃厚で、乳脂率5%、無脂固形分率9%を超える。
乳は脂肪球が大きく、バターを作りやすい。
また、カロチンを豊富に含む為、黄色が濃い。乳量は少なめで、年間3,500kg程。最高日量はあまり多くないが、
持続性が高い。 (Wikipedia)

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ブラウンスイス種

日本の飼育数は約1000頭
スイス北東部が原産でその後アメリカで改良された品種。
総乳量はホルスタイン種のは及ばないが、年間で4800キロ、乳脂率4%、特に乳タンパク率高く、チーズ加工に向いている。
また足腰が強く、放牧に向いているため、主に北海道・九州などで飼育されている。

バターの種類

バターの分類の仕方には、非発酵と発酵という製法の違いによる分け方と、有塩と無塩という食塩添加の有無による分け方の2種類あります。

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発酵の有無による分類

発酵バター
発酵バターは、原料となるクリームを乳酸菌で発酵させてからバターにしたもの。独特の風味があり、ヨーロッパでは発酵バターが日常的に使われています。最近では日本でも使われるようになってきました。

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有塩バター

有塩(加塩)バターは、バターを練り上げるときに1.5%前後の食塩が加えられるバターです。食塩が加わることで風味が良くなり、保存性も高まります。日本やアメリカで最も一般的に使われるのが有塩バターです。

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無塩バター

無塩(食塩不使用)バターは、製造過程で食塩を加えずつくられるバターで、フレッシュバターともいいます。食塩を加えていない分、有塩バターに比べて保存期間が短くなります。製造過程で食塩は加えられませんが、原料の生乳に塩分が含まれていて完全な無塩にならないため、商品パッケージには「無塩バター」ではなく「食塩不使用バター」と表示されるようになっています。

バターの製造方法

画像①分離:生乳から遠心分離によりクリーム(脂肪率約40%)を分離します。

②殺菌・冷却:クリームを95℃で60秒間加熱殺菌し、殺菌後、直ちに5℃前後に冷却します。

③エージング:殺菌・冷却されたクリームを5℃前後のタンクで8~12時間、低温保持します。
クリームの脂肪分が結晶化し、形や大きさが一定になり脂肪球が安定します。

④チャーニング(攪拌):エージングしたクリームを10℃以下の温度で激しく攪拌し、脂肪球皮膜たんぱく質を除き、脂肪球を凝集させて大豆くらいの大きさのバター粒をつくります。

⑤充填・包装:できあがったバターを用途に応じた大きさや形に包装し貯蔵します。

画像:手作りで脂肪分を分離(Wikipediaより)
文章:明治の育食より引用

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